マーケティングを始めとするビジネスの現場は、どんな年齢でも、立場でも、チームをリードすることが多くなり、日々迅速な意思決定が求められます。
私たちマーケターや戦略を考える立場の人間は、どのように決断力を高め、チームリーディングの質を高めるべきか。
『最高のリーダーは2分で決める』という本を通じて、日々のビジネス課題に対する参考解決策や情報を考えてみます。
本を読む前に、自分が感じていた問題点
自社のプロダクトの売るための仕組みを考える私は、自分一人ではなく、チームで意思決定を行うことが多いです。
チームメンバーは、それぞれの得意分野とスキルを持ち、その分野においては経験からある程度自信を持っています。
その結果、意見が錯綜し、議論が膨らみ過ぎてしまうこともしばしば起こります。
具体的な問題は以下です。
チームメンバーそれぞれの意見が異なり、統一するのが難しい
多様なバックグラウンドや専門知識を持つチームメンバーは、それぞれ異なる視点やアイデアを持ち寄ります。この多様性はチームの強みであると同時に、異なる意見やアプローチがぶつかり合い、一つの方向性を見つけるのが難しいという課題がありました。
例えば、マーケティング戦略を策定する際、一人のメンバーはデジタルマーケティングの強化を提案する一方で、別のメンバーは伝統的な広告戦略の有効性を主張するかもしれません。
こうした異なるアプローチをどのように調和させ、最終的な戦略に落とし込むかが、リーダーにとっての大きな課題です。
論点を定義し、話の核心に迫ることが困難
議論を効果的に進めるためには、明確な議題や論点の設定が必要です。しかし、各メンバーが異なる優先順位や関心事を持っているため、話の核心に迫るのが難しいことがあります。例えば、新製品のプロモーションに関する会議で、一部のメンバーは予算配分に焦点を当て、他のメンバーはクリエイティブなアイデアに注目するかもしれません。このような状況では、論点が散漫になり、効率的な議論を進めるのが難しくなります。
話が広がり過ぎてしまい、結論に至らないことが多い
チーム内の豊かなアイデアや意見は、議論を活発にする一方で、話が広がり過ぎてしまうリスクもあります。たとえば、一つの小さなトピックから始まった議論が、関連するさまざまな話題に発展し、結果として本来の議題から遠ざかってしまうことがあります。この結果、会議は時間内に結論に至らず、重要な決定が先延ばしにされることが頻繁に発生します。
チーム内での多様な意見を有効に活用し、一つの方向性を見出すための手法と戦略を考えることが、「リーダー」ということになりますが、
現実問題として実行するのはとても難しい・・・
この悩みに立ち向かうべく、『最高のリーダーは2分で決める』から学びを請いました!
『最高のリーダーは2分で決める』で推奨されている4つのルール
ルール1:70%の精度で意思決定をする
リーダーに求められるのは、完璧を目指すことではなく、70%の精度で迅速に決断を下す能力です。
完璧を目指すと、期日ギリギリまで時間を要し、修正が難しくなります。
70%の精度で決定することは、期日前に基本的なデータを揃え、想定される質問に対応可能なレベルまで準備することを意味します。
このプロセスは、リーダーが失敗を恐れず、リスクを最小限に抑えつつ、柔軟に対応し、必要に応じて修正を加えることを可能にします。こうしたサイクルが、持続的な成果を生み出す鍵となります。
ルール2:「外脳」を使う
意思決定のスピードを高めるためには、自分だけの知識や情報に頼らず、他者の力を借りることが重要です。
孫正義氏の例を挙げると、彼は多くの「外脳」、つまり外部の知識や情報源を活用しています。
これは、自分の知識や情報だけに頼るのではなく、さまざまな専門家や情報源から迅速にデータを収集し、意思決定を行う方法です。
特に、上層部にいるほど、最前線の情報が入りにくくなるため、他者の知識や情報を積極的に取り入れる姿勢が求められます。
ルール3:「部下発信」の案件を増やす
リーダーの意思決定は主に「リーダードリブン」と「メンバードリブン」の二種類に分かれます。
リーダードリブンは、リーダーが全てのプロセスを担当する必要がある重要な意思決定です。
一方、メンバードリブンは、部下が判断材料を集め、提案を行い、リーダーは最終的なイエスかノーの決定をするだけです。
効率的な意思決定のためには、メンバードリブンの案件を増やし、リーダードリブンの案件により多くの時間を割くことが推奨されます。これにより、リーダーは重要な意思決定に集中でき、チーム全体の意思決定のスピードが向上します。
ルール4:上司を「攻略」する
組織の中間層に位置するリーダーにとって、自分の決断力だけでは十分ではありません。リーダーの上司の意思決定プロセスを理解し、そのプロセスをスムーズに進めることが重要です。
上司の視点を理解し、彼らの期待に応えるための資料準備やプレゼンテーションに焦点を当てることで、組織全体の意思決定スピードが向上します。
これには、上司が関わる会議に参加し、上司の意見形成過程を理解することが含まれます。上司の視点を取り入れることで、自分が上位の役職に就いた際にも、効率的に仕事を進めることができます。
ここまで『最高のリーダーは2分で決める』で推奨されているルールをお伝えしましたが、最初に掲げた課題に対してどういう解釈をすべきか。
私達の日々の仕事で活かすために自分なりの解釈をお伝えします。
専門性が高いマーケターのチームで活かせる3つの観点
それぞれのルールの中で、気づきを受けた部分があります。
1.議論のゴール設定にバッファを持つ
70%で良い、ということは、つまり、100%のゴールを目指さないということです。
70%の精度での意思決定は、完璧なゴールを目指さずに、柔軟な対応を可能にするということに繋がることだと思います。
例えば、新しいマーケティング施策の目標設定時、すべてのKPIを詳細まで詰めるのではなく、主要な要素に焦点を当て、実行可能な範囲で決定を下すことで、
一定の自由度の中で施策を調整していくことができます。
議論の論点は「どのようにして完璧なキャンペーンを考えるか」ではなく、「どのようにして効果的なキャンペーンを実行するか」という視点で進められます。
なので、意思決定の条件や会議のゴールも70%のラインを想定しておくことが大事ですね。
2.外脳を使うための「ファシリテーション」が重要
意思決定までには、議論を発散させて情報収集し、そこから絞り込みをするために、優先度付けをして、最終決定を行うことが多いです。
当然ですが、発散も絞り込みも、自分の考えに固執せず、一番経験やスキルが豊富なメンバーにきちんと意見を聞くことが重要です。
様々専門知識やスキル経験を持ったメンバーがいる場合、どの観点で意見を誰から収集するかを意識することが大事だと思います。
具体的な例として、製品開発の打ち合わせで、異なる部門の専門知識を持つメンバーが集まる場合、各専門分野からのインプットを積極的に求めます。
例えば、「製品デザインにおけるエンジニアリングの観点はどうか?」や「マーケティングの視点から見た顧客の反応はどう想像できる?」など。
こういった質問を通じて、各分野の専門家から意見を引き出し、多角的な視点からの意思決定ができるようになると考えられます。
3.そのプロジェクトにおける承認者を説得する情報の理解が必要
リスクや労力、コストが発生することの意思決定は承認者がいます。自分やチームメンバーではないケースも多いです。その際に着地点を意識して議論することが重要です。
例えば、高額の広告予算の承認を得る必要がある場合、承認者の関心事や判断基準を理解し、それに沿った提案を行います。
「広告の成果はどのくらい?」「どのくらいの商談数が見込めるの?」。このように、承認者がコスト効率を重視する場合なら広告キャンペーンの予想ROI(投資収益率)や以前の成功事例を提示し、提案の有効性を整理しておく必要があります。
要点をまとめると・・・
・実行できる範囲を意識して決める
・専門性は他者の経験知識を活かす
・実行のための必要な情報に絞って整理する
『最高のリーダーは2分で決める』の教訓は、多様な意見や専門知識を持つチームメンバー間での効果的な意思決定において非常に有用だと思いました。
70%の精度で意思決定すること、多様な情報源を活用する「外脳」の重要性、そして承認者を理解し影響を与えるスキルを身につけること。
とはいえ、これらを「習慣化」して自分の血肉にしていかないことには成長はしません。これらは、マーケターとしての私たちが直面する日々の課題に対して、実践的な解決策となると思い、習慣化して実行し続けることが重要だと思います。
■「この一歩が新しい自信を創る」SHOCK ME
“営業8年、マーケティング5年の実践を経験し、現在は事業会社でIT製品のマーケターです。
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